目次
- 初歩的な毛髪知識
- 人の頭皮に関する定義
- 皮膚の構造
・表皮細胞のターンオーバー
- 脱毛症
・1,休止期性脱毛症
- 分娩後(出産後)脱毛症
- ピル服用後脱毛症
- 男性型脱毛症
- ダイエット・飢餓性脱毛症
・2,成長期性脱毛症
初歩的な毛髪知識
知識1
毛髪は3〜6年で生え変わる
知識2
1ケの毛根から2〜3本の毛が
生えているが、成長が弱くなると 1本の毛髪しか生えてこない。
また、毛質も太くハリのあるもの
から細くコシのない毛質に変わってくる。
人の頭皮に関する定義
人の頭皮に関する定義
項目 |
日本人平均値 |
備考 |
頭毛の数 |
約10万本 |
- |
毛の長さ |
70〜80cm |
中国人1m、黒人30cm |
毛の太さ |
約0.08mm |
(0.05mm〜0.15) |
一日の成長 |
0.3mm前後(0.2〜0.5mm) |
- |
毛周期 |
男3〜5年、女4〜6年 |
- |
一日の脱毛数 |
50本〜100本 |
20才〜30才約60本
50才〜60才約100本 |
皮膚への固着力 |
50g(40〜60g) |
- |
引張強度 |
150g(120g〜180g) |
- |
毛径指数 |
80〜85 |
毛径指数=短径÷長径×100 |
随指数 |
30以下 |
随指数=随の太さ÷毛の太さ×100 |
毛髪中の水分 |
11〜13%(湿度60〜70%時) |
水中に毛を浸した場合35%位 |
毛髪の膨張 |
長軸方向 1〜4%
|
- |
(水中) |
直径 14%
|
- |
皮膚の構造
皮膚は体全体を覆っているものです。皮膚の厚さは1.4mと薄いが、その薄い膜の中に
汗腺、脂腺、血管、リンパ腺、神経、毛包といったいろいろな働きのものを持っています。
そして、皮膚は生きています。生きている限り、皮膚は傷付けられても自分でそれを修復
して元の健康な皮膚に戻ることができます。
表皮細胞のターンオーバー
表皮では基底細胞の細胞分裂でできた新しい細胞が、
細胞の分化によって有頼細胞、顆粒細胞、角質細胞に
変化し、最後は皮膚表面から雲母状の薄片として剥
がれて落ちていくわけです。こういった細胞の転換を
ターンオーバー(Turn Over)といいます。
そうして、一つの表皮細胞がこれに要する時間を
ターンオーバータイムといいます。これは正常状態で 28日間です。基底細胞から顆粒細胞に移行するまで
の時間が14日間、角質のような薄い層(・0.03mm)
に長い間角質細胞がとどまっていることは、大きな
意味があることと考えられています。 |
脱毛症
1.休止期毛性脱毛症
ピルは、女性ホルモンと少量の黄体ホルモンを配合したものですので、こ
れを服用している間は妊娠後期と同じ様に脱毛が抑えられます。しかし、
服用を中止すると分娩後脱毛症のように脱毛数の増加が見られます。
- 男性型脱毛症
男性型脱毛症の初期には後期成長期毛が沢山抜けますが、しかし抜けた毛
孔から再び早期成長期毛となって少し太くなり始めた頃に男性ホルモンが
作用すると、後期成長期毛という太い毛髪に育たないまま移行期毛を経て、
休止期毛となって抜けてしまいます。つまり太い毛髪が育つことなく、細
い毛髪になりますので毛はうすく見えるようになるのです。
原因は、遺伝が発生の大きな要因であることは知られていますが、男性に
主として発症することより一つの原因として男性ホルモンが毛母細胞また
は毛乳頭に作用するのではないかといわれています。
- ダイエット・飢餓性脱毛症
肥満の治療における断食・飢放療法あるいは拒食症などでは、皮膚の乾操
化とともに脱毛が起こることがあります。毛髪は血液を適して毛乳頑から
栄養をとって成長していますが、長期にわたって貧血が続いたり、血液中
蛋白質が少ないと、吸収される毛髪の栄養量が少なくなるため、完全な
角化ができなくなり、毛の可溶性タンパクが増えます。このような毛髪は
断毛したり、脱毛しやすくなることがあります。この時の脱毛は頭全体か
ら脱毛します。
- 圧迫性脱毛症
- 甲状腺機能低下症
- 下垂体機能低下症
- 服甲状腺機能低下症
- 薬物性脱毛症
2.成長期毛性脱毛症
- 円形脱毛症
円形脱毛症の毛根の特徴は、萎縮毛(栄養障害毛)が多く脱毛することで
す。萎縮毛は、毛球が壊れたためにできたもので、その形は大根を長い間
干したように見えます。また、これに混じって休止期毛も抜けることがあ
ります。円形脱毛症の場合、これが拡大し、進行するかどうかは、毛根を
見ればある程度わかります。円形脱毛症を発見した場合、その周囲の毛を
つまんで軽く引っ張ってみます。そして抜けてきた毛髪の毛根部を顕微鏡
等で見てみます。その時正常毛根は抜けませんが、進行中であれば、萎縮
毛や休止期毛は抜けてきます。
原因としては次のように考えられています。
自己免疫説・末梢神経異常鋭・ストレス鋭
治療方法:血管拡張剤を配合した育毛剤、冷凍療法、紫外線療法、
温独療法、副腎皮質ホルモン投与、神経ブロック療法
- 薬剤性脱毛症
坑ガン剤・チアンフェニコール(殺菌剤)・ホウ散.タリウムなど
毛母細胞が破壊され、萎縮毛をつくることになり、かなり激しく成長期毛
性脱毛を起こします。
3.その他の脱毛症
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